新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える人が増えたことによって、さまざまな在宅ニーズが高まりました。 中でも躍進的だったのが、インターネット通販の利用です。 それまではあまり利用したことがなくても、コロナ禍になってからネット通販をよく利用するようになった、という方は多いのではないでしょうか。 同様に、介護食についても通販利用が高まっています。 今回は、宅食通販が増えた背景や通販ならではのメリットについてもご紹介します。
介護施設への入所を見合わせる人も
高齢者向けの介護施設では、その多くが新型コロナウイルスの感染拡大によって、来訪者の制限をしています。 入所する家族との面会が、自由にできなくなったという声や、家族が遠方に暮らしている場合などでは、しばらく会えていないという声も多く聞かれるようになりました。 コロナ禍が長引くことで、介護施設への入所を検討していた人が在宅に切り替えたり、訪問型の介護サービスの利用を控えたりといったケースも増えているといいます。
食べにくそう、よくむせる、は要注意
介護施設などでは、その人にあった運動やリハビリなどのサービスを受けることができます。 食べにくさがないか、食事の内容や口腔機能についても介護士に見守られ、早期発見早期対処の機会に恵まれているといえるでしょう。 しかし在宅で家族の介護を受けている場合は、介護する側も高齢者であることが多く、仕事や家事などの負担もあれば、変化に気づきにくいこともあります。 在宅で介護を行っているご家族は、食事の様子をよく観察し、食べにくそうにしたり、食事中によくむせたりするようであれば、誤嚥性肺炎などにつながる口腔機能の低下の疑いがあるので、注意が必要です。
運動と食事で、低栄養予防
不要不急の外出は控えようと、出歩くのをがまんしている方もいらっしゃると思います。 高齢になっても続けていた趣味や仕事、地域の活動、ボランティアなどを控えたり、買い物や通院の回数を減らしたりといった新型コロナウイルス感染予防対策によって、運動量が以前よりも減ったという高齢者は少なくないでしょう。 変化の少ない毎日や、好きなことに打ち込めないストレス、運動量の減少によって、食欲が低下することもあります。 運動が減り、1日に必要な栄養をきちんと摂れないとなると、筋力の衰えも心配です。 低栄養の状態になると、体のあらゆる機能が低下して疲れやすくなり、ますます運動量が減ってしまうといった悪循環を引き起こす場合があります。 そうなると認知機能などの精神・心理的な問題、ひとり暮らしの場合は人との交流が途絶えるなど社会的な問題もでてきます。 室内でできる運動や椅子に座ったままできる運動などを取り入れ、必要な栄養を効率よく摂ることが重要です。 よく観察し、食べにくさや体重の減少など、少しでも変化が見られたら、歯科医師やかかりつけ医に相談することをおすすめします。
都市部にも広がる、買物弱者の存在
近頃、買物弱者という言葉を耳にするようになりました。 その定義は、経済産業省によると「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々」のことで、平成26年の調査でその数は全国に約700万人にのぼっており、増加傾向にあります。 また、過疎地だけではなく、都市部でも問題が起き始めていることも指摘されています。 なぜ今、便利な都市部で買物弱者が増えているのでしょうか。 ※1 60歳以上高齢者人口4,198万人(平成26年10月1日人口推計:総務省)×「日常の買い物に不便」と答えた人の割合17.1%(内閣府「平成22年度高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果」より)にて算出(経済産業省 商務情報政策局 商務流通グループ 流通政策課「買物弱者マニュアル」、平成27年3月発行より) ※2 「買物弱者・フードデザート問題等の現状及び今後の対策のあり方に関する調査報告書」
経済産業省では買物弱者の今後の見込みについて、「大都市、ベッドタウン・地方都市では、高齢化率が上昇するため、車での移動ができなくなって買物弱者化する高齢者が増える可能性がある」としています。 1980年代以降、車社会といわれる時代の到来に追随して、郊外型の大型ショッピングセンターの進出が増える傾向が続きました。 週末に車で郊外のショッピングセンターに行き、買い物を楽しむ家族が増えた一方、身近な商店街や小売店の存在が消えていきました。 かつての子育て世代も高齢化し、週末ショッピングを楽しむために役立った運転免許も、高齢者ドライバーの問題もあって、やがて返納する時期がくるでしょう。 また、郊外に向かう公共交通機関も、全国的に駅や運行が減る傾向にあるため、今後は便利な立地であるはずの都市部に暮らす高齢者が買物弱者化する例は増えると見られています。 以上のような在宅介護で起きてくる低栄養や買物弱者の問題にも、宅食通販が解決のポイントになるのではないでしょうか。 次に、介護食として、一般的な配食サービスと宅食通販との違いについて、見ていきましょう。
かつての車社会が生んだ問題
冷凍で届く、宅食通販
とくにコロナ禍での在宅介護では、できるだけ接触を避けたいという目的で、まとめて宅配便で届く宅食通販の利用が高まっています。 賞味期限が長い冷凍で届くため、いつでも好きなものを好きなときにレンジで温めて食べられるというメリットが、人気の理由です。 ときには料理をしたい、今は見守りや声がけは必要ない、冷凍庫を管理できるという元気な段階から便利に利用でき、在宅介護には家族の助けになります。 ただし、ひとり暮らしや高齢者世帯の場合、冷凍庫の中で賞味期限を管理するのがむずかしくなってくると、1回の注文の数や注文時期に工夫が必要になるかもしれません。 しかし宅配便で届くので、好みに合う業者のサイトなどで注文できるので、配達エリアを気にする必要もありません。 今はなんとかスーパーへ買物に行っているけれど、体調によって外出するのが厳しいときがある、またはスーパーが近くにない、という場合は、冷凍庫に備えておくと安心です。 買物が不便であっても、低栄養のリスクを避けることができそうです。
チルドで届く、配食サービス
低栄養を回避し、運動やリハビリで改善をめざすためには、栄養バランスがしっかり考慮された、かむ力、飲み込む力にあわせた食事を取り入れることが大切です。 配食サービスの多くは、お弁当やおかずがチルドで届き、レンジなどであたためて食べる形です。 毎回届けてくれる配達員と顔馴染みになり、見守りや声がけをし、気になることがあれば別居する家族に連絡してくれるサービスもあり、ひとり暮らしや高齢者世帯には安心です。 ただし配達の時間には必ず家にいなければならず、予定が変わる場合には事前の連絡が必要です。 長くストックできないため、ほぼ届いたらすぐに食べるという人に向いています。 ときどきは料理をしたい、家族といっしょのものを食べる機会がよくあるという場合は食べきれない、無駄になるということもありそうです。 また、住んでいる地域が配食を頼みたい業者の配達エリアかどうかも確認が必要です。 地域によっては業者を選べない、配達してくれる業者がいない、というケースもあります。
どんなやわらかさがほどよいか確認したり、介護食について詳しく知るきっかけにしたり、といった手軽な利用にも、宅食通販はおすすめできます。 あるいは一時的な低栄養になったとき、効率よく改善するために備えておくのもひとつの方法です。 また、配食サービスと併用して、冷凍で届く宅食通販をストックしておくと、いざというときに安心できます。 買物や介護食についてのお悩みは、宅食通販の利用によって解決するかもしれません。まずは気軽にはじめてみてはいかがでしょうか?
コロナ禍における通所介護の利用控え、訪問介護ではなく女性による家庭内介護が代替に https://www.tus.ac.jp/today/archive/20210518_3435.html(2022年7月現在) 経済産業省「買物弱者応援マニュアル」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/kaimonojakusyashien.html(2022年7月現在) 総務省「買物弱者対策に関する実態調査 結果報告書」 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107317_0719.html (2022年7月現在)
嚥下機能が低下した方はご使用をお控えください
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